不動産ブローカーという言葉は古くから日本にも存在しますが、その意味は本国であるアメリカとは全く違います。
アメリカの不動産業界の仕組みを知っていると、この違いはある種の気持ち悪さすら感じますが、リフォームとリノベーションのように日本独自の使われ方があり、その一種です。
この記事では、不動産ブローカーの日本での使われ方と、アメリカでの使われ方を比較する形で解説していきます。
ちなみに、英語では建物に関わる修繕は全てリノベーションと呼びます。
日本では「リフォーム=表層的な修繕」「リノベーション=機能向上を伴う修繕」という使われ方をしますが、リフォームは英語では組織の改変などのことを指します。
日本における不動産ブローカーとは
日本における不動産ブローカーという言葉は、個人を指す言葉で、免許業をもつ会社に所属するわけでもなく、本人も資格を持っているわけでなもない。
それでいて物件紹介などを行い、契約をする際には免許業のある不動産仲介業者を使い、発生する仲介手数料のうちいくらかを紹介料として受け取るような職業を言います。
はっきり言って「怪しい」の一言に尽きます。
不動産ブローカーは、水面下で出回る大型案件に群がる傾向があり、実際のやり取りでも「間に何人いるの?」なんてやり取りもあります。
基本私は、間に不動産ブローカーが入っている案件はやりません。
不動産業界でも、どちらかと言えば忌み嫌われる職種で、あまりいいイメージではないですね。
この辺りは、ちゃんと定義されている言葉ではないので、人によって解釈には違いはありますが、おおよそこの解釈であっているんじゃないかなと思います。
アメリカにおける不動産ブローカーとは
ところがアメリカでいう不動産ブローカーは、日本とは全く意味合いが違ってきます。
そもそも個人を指すことが多い日本と違い、アメリカでは不動産エージェントが所属するライセンス(宅建免許)を持つ組織です。
日本で言うところの不動産会社です。
アメリカでは、不動産営業は基本全て「不動産エージェント」と呼ばれ、個人事業主であり、顧客は全て個人と取引をします。
そしてこの不動産エージェントが所属する組織が「不動産ブローカー」なのです。
同じ組織に所属するという意味ではアメリカでも日本でも変わらないのですが、日本は社員として雇用されることがメインですが、アメリカでは個人事業主として所属していることに大きな違いがあります。
今の日本で増えてきている不動産エージェントはこのアメリカ式のものとなります。
日本にはアメリカ式不動産ブローカーに当たる言葉がない
日本では不動産エージェントがにわかにブームになりますが、この不動産エージェントが所属するアメリカ式の不動産ブローカーに当たる言葉がありません。
不動産会社でもいいのでしょうが、不動産会社というと従来型の社員雇用を中心としてビジネスモデルも含みますので、ちょうど適当な言葉がないんですよね。
不動産ブローカーがこれまで使われていなければ、そのままの解釈で使えば良かったのですが、今の日本では、その言葉をそのまま使えばネガティブなイメージを持たれてしまいます。
アメリカで言うところの不動産ブローカーに変わる言葉が何になっていくのかは気になるところですが、ひとまずこのサイトでは「不動産エージェント会社」と表現していきます。
ちなみに、TERASSさんなんかは、不動産エージェント「ファーム」と表現しています。