不動産業界の集客は、他の業界と比べて差別化がしにくく、難易度は高いと言われています。
また商品単価も高いため、広告単価も高く、苦労している不動産会社も多いのではないかと思います。
そこでこの記事では多くの不動産会社が集客ができない理由と、これからどんな集客をしていくべきかについて考えていきたいと思います。
集客は物件ポータルサイトの一本足
物件を預かった元付となった場合は、有効な手段となる物件ポータルサイトですが、客づけとなると途端にライバルが多くなります。
ポータルサイト上で同じ物件を扱っている業者が多数いることもあり、自社への問い合わせは時の運か、もしくはオプション料金をポータルサイト事業者に支払って他の業者よりも目立つようにすることでしか差別化ができません。
つまり不動産業界は、競争が激しく、多くの会社が同様のサービスを提供していることで差別化が難しいと言えます。
なぜ自社を選ぶべきなのか、他社との明確な違いを示す必要がありますが、この違いをどう示すかがポイントになります。
売り物件を獲得するのは至難の技
大手のようなブランド力があったり、古くから地域密着でネットワークを構築してきた不動産会社でない限り、売り物件を獲得するのは特に難易度が高いと言えます。
インターネット上でも、大手や一括査定サイトなどが潤沢な資金力を元手に、広告をガンガン出しています。
商品の単価が高い分、広告のワンクリックあたりの単価も非常に高く、中小零細の不動産業者が勝負できるマーケットではないように思えます。
また査定一括サイトも私は利用したことはありませんが、知り合いの業者の話などを聞くと、収支はトントンくらいであまり意味がないというぼやきをよく聞きます。
さらにクラウドソーシングサイトで、査定一括サイトがサクラを募集しているのを見かけたこともあります。
不動産会社で集客ができない3つの理由
ここからは私が思う、集客ができていない不動産会社の3つの理由について解説していきます。
マーケティング戦略や知識不足
集客のためには適切なマーケティング戦略が必要です。
不動産会社が効果的な広告や宣伝、オンライン戦略、ソーシャルメディア活用などを活発に行っていない場合、ターゲット市場にアピールすることができず、集客が困難になります。
特に近年、インターネットは不動産市場において重要な役割を果たしています。
不動産会社がオンラインで存在感を持たない場合、潜在的な顧客にアプローチする機会を逃すことになります。
ウェブサイトやソーシャルメディアを活用し、情報発信や顧客とのコミュニケーションを行うことが重要です。
顧客ニーズの理解不足
不動産会社が顧客のニーズや要望を正確に把握していないケースも多々あります。
この場合、効果的な集客ができません。
顧客の要望に合わせた物件やサービスを提供することが重要です。
また要望に合わせたサービスを広く周知するためのマーケティング活動が重要となります。
信頼性や評判の欠如
不動産取引は大きな財産や資産に関わるため、顧客は信頼性の高い会社と取引を希望します。
信頼性や評判が不足している場合、口コミや紹介などによる集客が制限される可能性があります。
大手に売る物件が集まりやすいのは、この信頼性によるところが大きいと言えます。
これらの信頼性や評判をどうやって補っていくのかを考える必要があります。
やってはいけない不動産会社の集客
ここからは不動産会社の経営歴と、マーケティングの視点から、やってはいいけない不動産会社の集客について解説していきます。
仲介手数料無料や半額
正直なところ、この集客手法ほど悪手なものはないと思っています。
どうしても物件で差別化ができなくて、サービスでの差別化もできないとなれば、最後は値段で差別化をするという発想になるのでしょうが、これは利益を減らすだけで、自分の首を絞める行為です。
実際、不動産会社を経営していればわかりますが、それなりに経費もかかります。
仲介手数料無料や半額というのは、今までの2倍働いて2倍の経費がかかり、売り上げは1棟分ですので、会社は当たり前ですが儲かりません。
消耗するだけです。
また優秀な営業がいたとしても、これでは稼げませんので辞めていきます。
しかも仲介手数料無料や半額で集客できた顧客は、所詮お金で釣った顧客なので質がいいとも思えません。
今は仲介手数料無料や半額の業者も増えてきていますので、その中でさらに競争が発生しており、まさに負のスパイラルと言えるのではないでしょうか。
ホームページ会社に大金を払う
これは私も過去にやったことがある失敗です。
はっきり言っておきますが、立派で見栄えがよく、物件情報をたくさん掲載できるようなホームページを作っても集客はできません。
高い業者だと数百万円取られることもあるそうですが、費用対効果は実はそこまで高くないと思われます。
ホームページがない、あったとしてもスマホにも対応していない、何年も更新していないなどは論外ですが、ホームページ自体にお金をかけるよりもホームページに来てもらうことに対してお金をかけた方がよほど有効かなと思います。
これからの不動産会社の集客方法とポイント
最後にこれまでの説明を踏まえた上でどのような集客をすればいいのか。
その考え方や手法、ポイントについてお伝えしていきます。
SNSを活用する
InstagramやFacebook、TwitterをはじめとしたSNSはぜひ集客で活用したい手法の一つです。
これらのSNSを活用するポイントですが、
- 売り込みをしないこと
- 会社アカウントでなく個人名で発信すること
を必ず押さえるようにして下さい。
まずSNSを利用しているユーザーは売り込みを求めていません。
関係性もない状態で売り込みをいくらされてもマイナスでしかありません。
自分ごとに置き換えて考えて貰えばわかると思います。
顧客がどんなニーズを持っているのか、それに応えられるようなコンテンツを考えてみましょう。
またSNSは個人にスポットが当たりますので、会社アカウントはファンがつきにくいです。
もちろん上手くいっているケースはありますが、個人の方が親近感を持ってもらいやすく伸びやすい傾向にあります。
動画を活用する
YoutubeやTik Tok、Instagramのリールなど、様々な動画プラットフォームがありますので、これらの活用も検討してみましょう。
動画というとハードルが高いように感じますが、最近ではショート動画も盛んで、編集もスマホでできるくらいのもので済みますので、ぜひチャレンジしてみたいところです。
評価や信頼性をアピールする
人は評価が多ければ多いほど信頼しやすいという特徴があります。
Googleのレビュー機能もそうですし、私が企画運営しているハウスクローバーでも不動産エージェントの評価がユーザーへの信頼性のアピールとなる仕組みを取り入れています。
これらの仕組みを活用しつつ、自社のサービスを利用してもらった顧客には積極的に評価の入力を依頼するようにしましょう。
不動産の集客ができない3つの理由と対策 まとめ
不動産の集客ができないと悩んでいる時は、適切な戦略と戦術が取れているかどうか確認しましょう。
物件情報での集客は元付の場合のみ有効で、客付は顧客ニーズを理解し、それに応えるサービスや情報発信が集客のポイントになります。
こちらの記事では、より詳しく費用をほとんどかけずにできる集客の仕方についてまとめてありますので、合わせて参照ください。
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